今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

えぐるならえぐってほしい、中途半端なカタルシスなんていらない 〜ドラマ半沢直樹を見て〜

日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビの最終回を見た。

 まぁ、「やられたらやりかえす、○○倍返しだ」という台詞に表れている端的な勧善懲悪的なカタルシスで国民的支持を得て、大ブームになっているドラマで、まぁ、妻と一緒に楽しく拝見していた。
 というのも、最後には善たる主人公が勝つといううそっぽいけれどもスカッとするカタルシスが得られたからである。

 不況が遷延し、いいことがない世の中、特に損した感が強い中年以下の若い層には、既得権力に立ち向かう主人公の姿に多いにカタルシスが得られることがこのドラマの人気だと確信しているが、見事にそれを裏切る・・・つまり、悪が勝つという結末に、非常にがっくり来た次第。

 こんな報われない世の中・・・うそでもいいから、善が勝ってほしいと皆思っていたろうし、ドラマなんだからうそを見させてくれたっていいじゃないか。

 例えば、伝統的な人気ドラマ、水戸黄門だって、印籠が出たら悪はひれ伏したではないか。うそっぽいけど、それであれだけの長寿番組になったのだから。

 このドラマは、いけしゃぁしゃぁと最後でどんでん返しのつもりか、悪が勝つ結末にした。原作は読んでいないから知らないが・・・ドラマ上ではそうだ。

 これはいけない。悪が勝つ現実をえぐるなら本当にえぐってほしい。
 
 見た後の感覚はとても悪いが、名作だと思う黒澤明の映画 悪い奴ほどよく眠る - Wikipedia のように。

 このドラマ 半沢直樹はどうも中途半端でいかん。それが率直な感想。