今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

「勝たねば」意識から逃れ得ない男性と低空飛行

 さて、先日・・・ 

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  と語らせていただいて、まぁ、革靴の話はえらく後半で、その前は出世できなくてむくれている愚痴が主であり、お目汚しだったとは思うが、ウェブ日記というもの自体、自分の思いを吐露させていただく場なのでご容赦いただきたいという思いもあり。

 

 知人らとの飲み会で、「あなたは出世したいのか?」と直言的に問われたことがある。「まぁ、できないでいて追い抜かれていくのは留年しているようでいやだが」というようなことをモゴモゴ答えて、特には共感されるわけでもなく、失笑を買っているようにさえ思えた。

 まぁ、定期的に、出世できないし人生消化試合だしとかつぶやいたりウェブ日記にしている男がうざいことは百も承知だ。

 だが、そんなに馬鹿馬鹿しいことなのだろうか。うざいことは承知で吐露せざるを得ないのは、それだけ根深く刺さった棘だからだろう。

 

 はてなブログを見ていて、1975年生まれということだから私より3歳年下の精神科医の熊代氏がかく語っていてとても共感できたのだ。

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 氏は障害者になってしまった男性が書いていた匿名ダイアリーを見て表題のようなテーマを語っているのだ。

 この記事から氏の言う要旨はここだろうという部分を引用させていただく。

私には競争社会や上昇志向から「降りる」ことがとても難しいように思えてならない。それらは社会のなかであまりにも当たり前になっていて、多様なライフスタイルの必要条件にもなっていて、私たちの心に内面化され、超自我の一部にすらなっているものだからだ。 

  その通りだなと思う。私が出世できないなぁと愚痴るのは競争社会から降りられていないからなんだよね。

 競争社会が超自我に内在させられている原因を氏ははっきりとは言明していない。

 氏の深い思考に対応した答えになるかは甚だ疑問なれど、思うに、大半の男性諸氏は、幼児期から男のくせ情けない。男でしょ?かけっこで1番になることを求められ続けてきたんじゃなかろうか。喧嘩で負けて戻ってきたら情けない、勝つまで帰ってくるなと言われたのではなかろうか。

 そのように競争に勝つことを求め続けられた男性はすべからく無意識下の超自我に「勝たねば」ということを内在してしまうのは想像に難くない。私はそこが要因だと思われる。

 超自我にまで内在してしまった価値観は抜け出すのが難しいのは自明で、その苦しみが私のモゴモゴにつながっている部分はあろうし、定期的に愚痴ってしまうことにつながっていると思う。

 

 幸運にも競争社会や上昇志向という超自我から解放され得た人から見れば「まだ、そんなことにこだわっているの?」と思うことかもしれないが、超自我にまでなっていることから簡単には逃れ得ぬことだと思う。だからこそ、悩んでいる人も多いと思うし熊代氏もそのように言及した記事にしたのだろう。

 

 まぁ、定期的に人生の不遇をかこつ私の愚痴を妻はとてもよく聞いてくれる。そして、出世なんてしなくていいからって言ってくれる。私が増長して辞めていい?と聞くとダメと言う。

 ということで、定期的に愚痴りながら、がんばって低空飛行を続けている次第。