最近、朝ドラをよく見ている。朝ドラとは言わずと知れたNHKの朝の連続テレビ小説。8時から15分枠で月曜日から金曜日の週日に放映されているドラマである。
今の朝ドラは「ばけばけ」(ばけばけの最新情報 - NHK)
かの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻の生涯を描いた話。
実は初めは別にそこまで興味がなかった。
小泉八雲が怪談を書いた人だということは知っているし、有名な「耳なし芳一」の話は読んだことがある。その程度で興味があったわけでもない。奥さんが日本人であったことも知ってはいたが。
妻が見ていて、結構面白いよということで、見てみた。
月曜日から金曜日の週日に放映されているものなので、週日の夜に見ることにななり、私は働いていて世の有象無象に揉まれて帰ってきた後であるから、コンディションが悪いことも多く、ハーンの妻は明治期の没落士族の娘であるからして、重苦しいストーリー展開にあまり引き込まれなかったのだが、なぜ今ハマっているのか。
それは主題歌のハンバートハンバートの「笑ったり転んだり」の歌詞に引き摺り込まれたというのが本当のところ。
そもそもこのドラマ、没落士族の娘が家族を食べさせるために明治期の外国人、言わば異人のところに女中として入るというストーリーが重苦しいのだが、その重苦しさを真っ向に受け止めて作られているのがこの主題歌。
毎日のドラマでは、冒頭近くで歌の一番が流れたり、二番が流れたり。
二番の歌詞がすごい。
「日に日に世界が悪くなる
気のせいかそうじゃない
そんなじゃダメだと焦ったり
生活しなきゃと坐ったり」
この主題歌が流れた時にビビビっときたわけですよ。
毎日社会に出て働いていて、日に日に世界が悪くなることを実感しているし、気のせいだよとか思いながら誤魔化しながら、誤魔化し切らずに帰ってきて寝ては仕事に行く毎日。
そのままじゃないか。疲れ切って帰ってきた私には響く響く。
そして次に続くフレーズがまた来る。
「夕日がとても綺麗だね
野垂れ死ぬかもしれないね」
野垂れ死ぬ・・・うむ、その忌み言葉がまた来る。
世知辛い世の中、それくらいの覚悟があっていいし、今の自分もそうだ。
私がドラマとこの主題歌にハマったのはこの二番の歌詞が流れた回だった。
主題歌がガンガン響いてきて、ドラマも見始めたんだ。
ドラマは今の所全然重い展開なんだけど、それでもいいじゃない。嘘っぽい喜劇を見ているよりよほどカタルシスになる。
そして、一番の歌詞がまたいい。
「毎日難儀なことばかり
泣き疲れ眠るだけ
そんなじゃダメだと怒ったり
これでもいいかと思ったり」
毎日の自分を見るようだ。
一番の締めの歌詞もいい。
「何があるのかどこに行くのか
わからぬまま家を出て
帰る場所などとうに忘れた
君とふたり歩くだけ」
まさしく自分を見る思いだ。
ということで、ハンバート ハンバート 「笑ったり転んだり」 という歌詞にハマり、ドラマ「ばけばけ」にもハマってきている次第。
いやいや、決して明るい話を期待してはいけないんですよ、そこはお忘れなく。