アリとキリギリスの話では、真面目な働き者のアリさんが最後は幸せになる。
真面目に生きていればいいことがあるさという教訓がそこにある。
僕は素直にそれを信じてきたし・・・うん、世の中バランスが取れていて、禍福はあざなえる縄のごとし、いいこともあれば悪いこともあるけど、大局的には実直に生きたものが勝つという昔ながらの信念を持っている。
さて、私が毎週読んでいる雑誌は「週刊アスキー」であるが、最近、連載されている「最新ベンチャー起業術」というコーナーがある。IT長者に、神足裕司さんがインタビューしてまとめている連載。
いつも苦々しく思いながらも読んでいる。というのも、ここでのIT長者は、すべてキリギリス的生き方でそのおごりが感じられて前記の信念を持って真面目に実直に多分それ故に損ばかりしてきている私にとっては快く読めないのだ。
なかでも、今回特集されていた尾関茂雄さんの記事は今まででもっとも快くなかった。女性タレントの山口もえさんと交際しているというIT業界のカリスマ社長、2回起業して会社を売って今は大学院ビジネススクールに通いつつMBA取得を目指し、プールサイドで哲学本を開き、気が向けば海外旅行という、半リタイア生活に30歳にして入りつつ、またひとつ軌道には乗っていないものの会社を興しているいるという高等遊民的な方とのこと。
僕より年下ではないか・・・
いかにもいかにもキリギリスだなぁ感じつつ読んでしまいつつ・・・苦虫を噛み潰したような思いに至る。
まぁ、ひがみと言われても仕方あるまい・・・
しかし、ここに、大好きな週刊アスキー(300円)も古本屋の店頭に上がり半額で買えるまで買わずに(並ばなければ買わない)、昼休み寝不足の解消のためうつらうつら横になりながら読んでいる男が読む記事にしてはなんだかなぁ感が強すぎるものである。
今の若者は、アリとキリギリスの寓話を知っているだろうか?知っていてもそれを実感しているだろうか?そして、実践しているだろうか?なんか世知辛い今の世の中キリギリス的生き方をしようと、うまくうまくいこうとしているように見えてしまうのだが・・・だからこそ、IT長者がもてはやされるような気もしつつ。
今、NHK大河ドラマでは「義経」がやっているが、そう、あの平家物語の一節が思い出される・・・「おごれるものは久しからず・・・」
僕はやっぱりアリが勝つと思います。そして、僕はアリでありたい。