よくもわるくも、まぁまぁといった感想だ。僕はひそかにジム・キャリーが大好きなので・・・期待して見に行った(そう、この日に(^-^))映画であった分、その大きな期待ほどではなかったという思いも強いかもしれない。
ストーリー的にはどっかで見たことがあるような感じも受ける。
主人公ブルースは神と同等の能力を授かるわけだが、その能力を持ってしても自分の愛する女性を振り向かせるのは能わないで悩むというこの映画のひとつのテーマは・・・そうだなぁ、例えば、人間の女性に恋して天使を辞めて人間になることを選ぶというシティ・オブ・エンジェルと通じるものがあると思う。
また、だめ男であるブルースとそれを心配するよくできたヒロインという構図も使い古されたラブロマンスのロジックと言ってよいだろう。
そんなわけで・・・なんか新味は感じられないものだったのだよ。
そして、老優のモーガン・フリーマンがどうどうと神として現れちゃっているのも・・・キリスト教文化の西洋の映画で、これっていいのだろうか?と見ているこちらもとまどってしまう感じでもあったし。
僕がジムキャリーを好きなのは・・・すごい笑わせる演技をすると思えば、泣かせる演技もできる幅の広さにあるのだが・・・今回の映画は笑えると言えば笑えるが、思いっきりというほどでもなく、かといってすごい泣けるというわけでもない。
彼の映画で笑って泣けるのは『トゥルーマンショー』だし、その次に泣き笑いできるのは『マジェスティック』だろう。そういうのに比べると今回のはちょっと。
とは言うものの、この映画で主張されていたこと・・・「自分のことをかえりみず相手を思いやる気持ち」、これは言ってみれば「無償の愛」ということだが、その大切さを説くこの映画・・利己主義的な動機付けが強いであろう西洋社会でこのような映画ができたというのはとても興味深い。
西洋的個人主義の普及により、日本でも利己主義的な感覚が強くなってきている中、このような映画がその西洋から発信されたということに日本でこの映画を見る人々はどう感じるのだろうか。
そして、「無償の愛」の大切さというのはこの映画を通じて印象深く感じられたよ。