今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

「元カレ」最終回を観て・・・

 今や、日曜日の夜のお楽しみとなった、ドラマ「元カレ」・・・今日が最終回であった。
 この一語りでも以下に挙げるように何度も熱く語ってきたところだ。

今日もドラマ「元カレ」を観る(2003.8.24)
今日の「元カレ」(2003.8.17)
ドラマ「元カレ」(2003.8.11)

 それだけ面白く観ていたわけで、実際、エンディングへの期待も高かった。これだけ面白く途中経過を見させてもらっているのだから、エンディングでだってきちんと楽しませてくれるだろうと。

 そう、期待通りであった。というのは、僕の予想を完全に裏切る形での結末だったからである。

 こう見えても、僕は、やたらドラマを見てきている。最近はテレビドラマを卒業し、もっぱら映画になってきてはいるが、どちらにしても、あるストーリーにおける映像表現であることには変わりない。

 そんな僕である。ちっとやそっとのストーリーでは驚かないし、感動もしない。

 そう、以前の語りでもたびたび言ってきた。このドラマは、古典的な展開を見せる、東京ラブストーリー的ドラマだと。
 そのロジックで考えれば、今日の結末は、二転三転して、結局、家庭的な内山理名演じる女性で落ち着くのだろうと思われた。広末涼子演じる女性には仕事という逃げ道があるのでドラマの落としどころとしては、そういうところがいいのではないだろうか。
 そう、そんな大団円を思い描いていた。
 
 ほら、かの、東京ラブストーリーだって、鈴木保奈美演じる女性はさっそうと去っていき、有森也実演じる家庭的な女性に落ち着いた。そう、織田裕二演じる男は心は鈴木保奈美演じる女性に、実生活は家庭的な有森也実演じる女性にという結末。

 そう、今日の「元カレ」もそんな具合で終わると思ったんだ。途中まではそのような展開だったんだ。主人公達の周囲もきちんと結ばれていって、大団円の予感、広末演じる女性は仕事に生き、内山演じる女性は幸せな家庭を持ちました、めでたしめでたしという感じに。
 実際、最後の最後までその流れであった。そこまでで思ったよ・・・なるほどな、これも単純にドラマだよ、東京ラブストーリーで築かれた黄金則は破れないよね・・・と。

 しかし違った。最後の最後に、内山演じる女性は身を引いたのだ。実生活だけの女にはなりたくなかったのだろう、主人公の男の心もほしがったわけだ。
 そして、広末演じる女性は、仕事を取って、遠く離れた神戸に出向こうとしていた空港に駆けつける男、そして、思いを打ち明けたという結末。しかも、引き留めるんじゃないんだよね・・・「おれのために東京に残ってくれ」とは言わないのよ。今度は僕が君を想うから、今度神戸に行くよという遠距離恋愛を前提とした告白になっていた。

 なにからなにまで、現代的である。それまでは、とてもとても古典的な雰囲気で僕のようなおじさんもすごく懐かしさを感じつつのめり込めていたこのドラマ、最後には、広末演じる女性は、仕事も恋もゲットするし、主人公の男は、自分にべた惚れであった家庭的なすてきな内山演じる女性を振ってまで、遠距離恋愛に身を投じる。

 僕のようなおじさんにはもーわけわからん、ついていけん、バランスが全然取れないなぁという感じの結末であったが・・・なるほど、東京ラブストーリーで確立された黄金則にのっとっていたら無難には終わるだろうがそれ以上の進歩はないよね。

 そう、バランスとか言わずに、世間体も構わずに、自分の気持ちに忠実にしたいようにする、というのが現代の若者感覚だよね、確かに。

 その意味では、このドラマは途中経過はとてもレトロな感覚を持たせながらしっかりと現代したラブ・ストーリーだったのだなぁ。