昨日、中原中也の「汚れつちまつた悲しみに・・・」の詩を思い出したことを語ったが・・・そんなすさんだ気持ちの時に、妻がいることは非常に慰められる。
かの中原中也の詩を知っているか?と妻に問うと、ひとつの本を取り出してきた。中原中也詩集の文庫本。
ちょっとびっくり。知っているかどうかもどうかなぁと思ったのに、本まで持っていたとは。なんか、すごい。
もちろん、かの有名な詩も出ている。
この詩は、むかーし、教科書かなんかで読んで、そのまま忘れていたが・・・どうしようもない悲しみのきっかけに記憶の糸がたぐられてしまったらしい。記憶のフラッシュバック。
最初の一遍を引用したい。
「汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる」
(『汚れつちまつた悲しみに』・・・・・・ 中原中也詩集 集英社文庫 p44より)
心にひゅーるりーという風が吹くような気持ち・・・たぶん中也もそのような気持ちをこの詩に乗せたんじゃないかな。
中也は30歳で夭逝したという。それより4年も長く生きて・・まだ自分は人の心に響く言葉を編めていないんじゃないかな・・・ちょっと悲しい。