今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

素の自分をさらけ出すのも爽快なものである


 NHK朝ドラ つばさ は、もう毎回欠かさず見ている。なんというか、1週間で1テーマというきっちりした区切りのテンポがとても好ましいからだ。


 今回は、ヒロインとその母と祖母が、言葉に出せないそれぞれの人生をかけた思いを芝居に出して行くという話。


 その設定がかなり私に響いてきた。


 そう、芝居なり演劇って自分をのめりこませていくことが可能で、それを自分自身が体験したことがあるから。


 僕は学生時代文化祭で「遺産相続ゲーム」というミヒャエル・エンデの脚本で、臆病な公証人の役を演じたことがあるわけで。


 臆病・・・だからねぇ。その公証人の役の大きなテーマは臆病。まぁ、この脚本はどの役もあまりいい役なんてなくてさ・・・遺産を巡る人間のドロドロさをえぐった台本だったと記憶しているから、必然的にそうなるわけだけどね。


 立候補して役についたわけでもないし、別にかっこいい役でもないしそんなに乗り気でなかったわけなんだkが・・・本番当日まで練習していくうちに、なんか演じるってのが面白くなってきたんだよね。


 そして、ある女の子の助言で、いっきに本番に、マジに臆病な演技ができたわけだった。別に難しいことじゃなかったんだよね、そもそも臆病な一面を持っている素顔の自分をそのまま出せばよかったわけで・・・その女の子にも「すごくよくなったね」と言ってくれた演技だったのだよね。


 そこで分かったんだよね、自分の素顔を役に投影できる演劇のすばらしさを。臆病者を見事に演じきったのだけど、何せ臆病者だから、決してかっこいいわけじゃない。でもね、不思議とすっきりした爽快感があったのが心に残った。無理のない素の自分をさらけ出すって実は気持ちよいことなんだなぁと実感したわけで。


 まぁ、文化祭だから素人演劇だったわけだけど、それなりに自分の人生を役に投影できるんだなぁと若き日に実感した次第。


 そして、今週の つばさ では自分の生き様を演劇に投影して訴えかけるという設定だったものだから、それはあるよなぁとストーリーのすばらしさとは別にまた感激した次第。あるよねぇ・・ってね。