今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書、香山リカ 著) 読了


 香山リカさんの「しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)」 (-amazon)を読了した。


 最近話題の新書のようなので平積みされている書店も多いかもしれない。


 まぁ、家も手狭で本もいい加減増やせないので、話題の新書系はかなり待つこと覚悟で図書館で予約を入れて見ることが多い私だが、この本は買ってしまった。700円ちょっとの出費でもあったが、そこまでして買いたくなったのはわけがある。


 私は1972年生まれだが、私の属する世代は、ベビーブーム世代で受験にしろ就職にしろ競争が熾烈で、ほら、最近なんかは婚活なんて言葉も出てきているけれども、私自身が本格的にウェブの世界に身を投じるきっかけとなったHP「もてない男の心の語り(現 もてない男のその後の語り)」を作っていきながら恋愛面での困難さを語ってきていたのだが、恋愛・結婚にさえ明示的に困難が叫ばれてきていて、格差社会をもろにかぶってきているのも私たちの世代、要するにいろいろな意味でなんだかあまりついていない世代だと常々考えてきていたところで手に取ったのが次の本だったからなんだよね。


 貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? (PHP新書 香山リカ著)


 アルファブロガーの小飼氏が 404 Blog Not Found:香山リカの処方箋、いや紹介状 というエントリーにて詳しく書評されている本であるが、私の方はたまたま図書館で書棚を眺めていて目に入ったので読んだ本であった。


 この本がとても共感できるものであったので、香山リカ氏の著作に興味があったので、この新作は最近の私にしてはとても例外的であるが、購入に至ったものであった。


 特にね、最終章が「〈勝間和代〉を目指さない」というタイトルであったので、とても興味が引かれたんだよね。


 買って数日で読了。一気に読めてしまう共感を持てる文章であった。要は現状で満足しようという訴えであるが、いろいろな意味でついておらず、従来の基準における人並み以上にがんばってそれでも普通でようやっという私くらいの世代にとっては、いい加減がんばってきたんだからそれでいいんだよと言ってくれる感じのこの本の主張には本当に救われる思いがするのである。


 実は香山リカさんは、これらの本を読むまではあまりいい印象がなかったんだよね。精神科医ということも知っていたし、リカちゃん人形からその名前が由来し、メガネは意図しての伊達メガネということも知っていた。いろいろなテレビでも出演姿を見ていたが、そのスタイルがなんかユニークに過ぎて、うわべからの印象だけなんだけど、信用に足るのか?という思いがなきにしもあらずというところでね、第一印象って結構大事で、そこでこけちゃうとなかなか修正されないものなんだよね。


 でもね、この2冊を読んで、よーくわかっているなぁという思いと、自分が今まで思考したり苦労したりしてきたことを見事に代弁していて、とても共感できた次第でね。


 要は弱者や苦労している人たちの気持ちをきちんとわかっているなぁと感じた次第で、いい本を読んだなと感じたわけでね。