今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

ミニシアターで見た、映画「鉄道運転士の花束」がいい映画だった

 元来、映画好きで、若い時、それこそ学生の頃からなけなしのお金をはたいてロードショーに行っていたものだ。

 ただ、最近はあまり行かず。どうしても休日は妻と二人で行動したいため、妻と興味が合わないとと考えると、二人の公約数探しが面倒である。そして、加齢に伴いトイレが近い、集中力が保たないということが情けなくもあるので、2時間を超える作品だと逡巡が出る。

 最近は動画配信サービスが発達し、そのうち見ることができるなという思いもあり、よほど思い入れがないと映画館にロードショーをという気分になれないからだ。

 

 それが、横浜シネマリンというミニシアターに出会って足繁く通うようになっている。ミニシアター・・・そう、単館映画館なので、一作が短いことが多い。2時間ないから保つだろうというところでハードルが下がり、そして、大手配給系のものは誰しも見ているから面白くない。そんなのを追うより興味深い作品があったりする。

 散歩していて「サウナのあるところ」が上映されるポスターを見て、サウナ好きとして行かずんばと行ってしまったのが手始め。 small-editor.hatenadiary.jp

 この映画は81分と2時間以内であったのが妻が付き合ってくれる大きな要因だったが、この映画自体私は前述の通り大いに楽しめた。

 この映画の予告編で、妻も私も興味を持ってしまったのが映画「東京干潟」 

small-editor.hatenadiary.jp

 ここで語ったように、映画自体にも共感を持てたし、主演のおじいさんが台風被害に遭われたとのことで出向いたりしたくらいだ。この映画も83分という2時間以内なのも動機付けとしてはよかったのだが。

ミニシアターという場所ゆえ、監督さんの舞台挨拶も距離が近く、そのへんも興味深く、ふたたび映画熱が復活した次第。

さて、先のサウナの映画の時の予告でもう一つ興味を持った映画がある。

セルビアクロアチアの映画である「鉄道運転士の花束」である。

tetsudou.onlyhearts.co.jp

これを、先週の金曜日、所用を済ませてから横浜シネマリンに駆けつけて見たのだが、これがかなりいい映画だった。85分という短さがやはり動機付けとしては大きかったのだが、これは私一人で見た。

鉄道運転士を人を轢いてしまう宿命があるものとして描き出すブラックコメディーなんだよね。そう、本当にブラックである。予告編からそれはよく分かったので、そういうのは妻は好きじゃない。だから、私だけで映画館へ。いつも二人でという私にしては珍しいが。

さて、ブラックはブラックだが・・・なんか、心温まる感じの、人を轢くということを主題にしているので、少し語弊があるが、いい映画ではあったよ。

セルビアの俳優さんが出ている映画。知らないんだけどね、格好いいなという感じは感じたよ。

ストーリーもブラックだけど素朴でいい。

ハリウッド映画とか、まぁ、日本のアニメとかでもいいんだけど、高度化しすぎて、なにを比喩しているかわかりにくい。見ていて疲れるし、変に技巧はぶらなくてもいいじゃないと思うのだが。

この映画は、そういう難しさがない。生きるってことに真正面に向き合った映画だろう。

映画に行く前の所用がえらく疲れるものであったゆえ、寝てしまうかと思いきや、そうでもなかった。面白く見られたっていうことだね。

 

今はなき映画評論家の水野晴郎さんの締めの言葉のように「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」と言いたくなる感じの映画だった気がする。

 

ここで語った三作はそういう映画の良さを実感させてくれるものだったので、最近、ミニシアターっていいなって思っている。さて、これからも何かをみようと思うけど、何がいいかな。