すごくいいドキュメント。昨年9月に放映され、文化庁芸術祭優秀賞を受賞しただけのことはある。
規制緩和によって、激しい安売り競争が起こり、運転手の給与が激減。長時間労働が恒常化し、乗客の安全さえおびやかされるほどの状態に陥った大阪のタクシー運転手の模様を描いたもの。年収は平均280万円まで落ち込んだ中での模様。
この番組は、ある運転手が次のようなことを語りエンディングとなる。
彼の妻が道ばたの花を見ようと寄った時、あるタクシーがすーっと寄ってきた。あなたがこんな風にすーっと人を見れば近づく仕事をしていると思うと・・・と涙が止まらなかった。
それをみて、自分は決してこの妻を離せないし、ともにやっていくバイタリティを得たんだ。
そのバイタリティを得たことが人生の中で一番重要だったんだ。
といった意のことを。
周りがどうなろうと、どう環境が変わろうと、がんばって生きていく。それこそが基本だ・・・苦しい中での必死の叫びだったのだろう。まったくその通りだと思った。明日からもがんばっていこうと思えるいい番組だった。