今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

華麗なる一族って最近はなかなか存在し得ないのではないか?


 経営再建中の三洋電機粉飾決算疑いまで出ている。


 実は我が家は、三洋電機好きである。私が独り暮らし時代から使っている洗濯機は電気屋さんで大いに薦められて買った三洋のものだし、妻がどうしてもこれがいいと、非常にシンプルで自動製氷器だの小分け収納だのの付加機能の全くない純スタンダードな冷蔵庫は、ちょうど今の新居に入った後に買ったものだが、これも三洋のものである(2006/1/30一語り「冷蔵庫を買う」参照) そして、私が、2000年前後であろうか、その頃に満を持して買ったB5ノートパソコンも三洋が出していたWinkyというものであった。三洋がパソコンを出していたと言うこと自体に驚きを持つ方もいようが、当時としてはかなりコスト安で割に性能が良いパソコンを出していたのである。出してまもなく、なくなってしまったのだが・・・。


 そんなわけで、三洋電機は結構好きなブランドだったのに、残念である。白物家電ではSANYOと言えば信頼を置いていたし、今だって結構信頼しているのだが。がんばってほしいものである。


 昨日、TBS日曜劇場「華麗なる一族」を初めて見た。なるほど、話題になるだけに結構面白い。ついつい引き込まれて視てしまった。


 山崎豊子さん原作とのこと。なるほど、こういう伝統的セレブリティの世界を描かせると超一流だなと感じる。同作者原作の有名なものとして「白い巨塔」もあるが、これもいい感じに伝統的セレブリティたる大学教授の世界を描き込んでいるがドラマ化もされたが、非常に迫力がある。


 しかしながら、こういう伝統的セレブリティたる・・・まぁ、華麗なる一族っていうのも、今ではあまり存在し得ないんではないかな。


 だって、前述の、三洋電機にしても2005年・・・最近であるが、長らく続けてきた同族経営をやめて、外部から野中ともよさんを会長としてきているわけで。また、かの不二家にしても今回の 期限切れ原材料使用問題から創業者一族以外から初めて社長を出している。


 古き、良きかどうかはわからないが、古き伝統なんだろうね・・・華麗なる一族って。そして古いだけに、今では存在し得ない部分も大きかろう。存在しようとすると無理が出るというか。正直、華麗なる一族のような、創業者一族の中での思惑、人間関係、どろどろ・・・要するにそんなわけのわからないしがらみで大企業が振り回されているようでは、国際競争力はとうてい持ち得ないのが現状だろうし、国際競争力を持てなければ生き残っていけないのが現状だろうから。


 また、そういう経済原理に説明を求めなくても、伝統的セレブリティのもう一つの例である大学教授を視ても、実際、今現在の国立大の教授が、白い巨塔に描かれる教授、大阪大学医学部の話と言われているが、それほどの権勢・名誉を誇るかどうかと考えれば・・・多分、今はそれもないだろうしね。


 いい学校を出て大企業に勤めれば、生涯安泰・・・そんな安心感がなくなったのが今なんだろうな。なんだか、団塊Jrである私にはよく分かる気がする。団塊Jr、特に私が属する30〜35歳くらいは悲惨世代と呼ばれているくらい、就職は厳しく、それでいて安定感のない世代からみるとよく分かる。


 まぁ、伝統的セレブリティを描くストーリーは面白いけど、古い話なんだろうな・と思うよ。うん。