今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

趣向の違いを超えて共感しあえる絶対的なおもしろさを持った映画で妻と共感しあえた


 私は3度の飯と同じくらい映画好きなのだ・・・とここで語ってきたこともある。出会い系のサイトに登録していた独身時代も、そんな風に自分の趣味を紹介していたこともある。


 ちょっと気取った言い回しかもしれないが、それに過言はないくらい映画自体は好きだ。


 独身時代・・・彼女もいなかった頃は、本当によく映画を見たし、毎週火曜日のビデオレンタル半額デーの店が前住んでいた所の近くにあったが、火曜日なると、あれでもないこれでもないと物色しているうちに1時間くらい平気で過ぎてしまって、その割には借りすぎて、返す期限のぎりぎりになって忘れた宿題をこなすように、映画視聴にぎりぎりいそしんだりしたものだ。学生時代住んでいた仙台では、公共図書館で映画ビデオ(といっても最新ハリウッド映画ではなく古典名作系のものばかりだったが)を無料で借りることができたので、それもがんがん見ていた。もちろん、映画館にもよく行った。


 そんな私だが、妻とそのへんの趣味が合うかというと・・・それが微妙なのだ。妻とのつきあい始め、もちろん、手軽なデートプランとして映画鑑賞というのは何度かしてみたものの・・・なかなかに趣味が合うものがない。二人で共感できるものが少なかったりするのだ。


 私は、もともと、古典映画をに始まり、重厚なタッチのもの、ストーリーに厚みのあるものがジャンルを問わず好きなのだが、妻は軽めのもの、新しいものが好きだったりするいわゆるふつうの女の子であり、私のようにマニアが入った映画通というわけではないから、そのへんの共感具合が違うわけだ。そして、妻はモノクロ映画などはほとんど見たことがないので、そのへんでの共感はまずできない部分があった。


 まぁ、恋人時代の妻との二回目のデートで、トム・ハンクス主演の「ターミナル」を見に行ったが、まぁ、つまらないというわけでもないけれど、まぁ、変わった人もいるんだねというくらいのまぁまぁの映画であって、二人での共感も少なかったかな。私の記憶が正しければ、次に、「アレクサンダー」だったのだが、これも、古代の歴史好きの妻にとってはアレキサンダーの死因の新解釈ということで面白かったようだが、私は古代は知識はあれど興味は薄いので、さほどという感じで、迫力のある映画ではあったが共感は薄しと言う所か。その次は、お互いが好きだった「ボーン・アイデンティティー」の続編、「ボーン・スプレマシー」であったが、これもカメラアクションが激しすぎて、また、ストーリーも第一作に比べ薄く感じて二人の共感はともに低調に。


 そんなわけでなかなか妻と映画で共感して、本当に見てよかったねぇという感覚を持てる映画に出会えていなかったのだが、最近見た二つのモノクロ映画にはとても感動し、共感できてしまったのだ。


 現金に体を張れ(1955) -goo 映画。私は以前にも見たことがあるが、非常に面白い映画で妻にも見せたわけで。


  ちょっと前にゴッドーファーザーを見た時に、悪徳警官役で出てきたスターリング・ヘイドンが主役で出てきているのでちょっと興味があったわけで見直してみたが、二人で、逃げ切ってほしいと思わず思ってしまう強盗アクション映画。そこまで思わせられてしまう所にこの映画のよいところがある。


 十二人の怒れる男(1957) -goo 映画。これも本当にいい映画。初めは、なんだろう?という感じで見ていた妻も最後には身を乗り出して見てしまっていた。私もこの映画は学生時代に見た記憶で、本当にいい映画だと分かっていたので、妻がそれに共感してくれたのは非常にうれしい。


 12人の陪審員の話なのだが・・・一室のみで繰り広げられる1時間半のドラマ、たぶんほとんどリアルタイムなわけだが・・・本当に面白い。


 いやー、映画って本当にいいですよねって言いたくなってしまった瞬間。なかなか、二人で趣向の違いを超えて共感しあえる絶対的なおもしろさを持ったこれらの映画に出会えることがないので、とてもうれしいのだ。