今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

ながーく愛するって感じ?

 私はこれら二つの腕時計を使っている。これら二つしかない。
 金属バンドの方は、オリエント社のキングマスターという今や絶版のモデル。自動巻の時計である。
 社会人になって、しばらくたったところで、それまでずーっとデジタルの時計を使ってきたから、どうせならアナログの時計を買おうかと、丸井に行ったところ、限定3個とかで売られていたもの。当時は自動巻の意味も分からずに、「ゼンマイですね?」なんて聞いていたものだ。
 実際、この時計はその後すぐに絶版になったので、売りきりで破格に安くてに入ったのだと思う。1万円しなかったと思うから(まともに買えばもっともっと高い、これだけ精度のいいオートマチックであればそうだろうと今では思う)。その時の店員が非常におすすめしてきたのもよく分かったし、それに嘘はなかったのだと思う。

 それ以来、買った価格よりも費用がかかるオーバーホールなども何度かしてきながら、10年以上も使ってきたわけである。バンドのピンが飛んでしまったこともあるが、それも時計屋さんに持って行って直して、その時計屋さんに古いねぇと驚かれたこともある(そりゃかなり昔の絶版モデルであるから部品も古かろう・・・でも、その部品の在庫があってよかった)。

 それで10年以上も自動巻のこの時計を愛用してきたが、デジタルの秒単位の正確さも欲しくなってきた。ほら、今じゃ電波時計とかもあるわけで・・・それで電波時計のデジタル腕時計を買ったのが左の方のやつね。これは数年前くらいに買った。

 でもって、これらを使い分けながらやっているわけだけど。

 最近では、毎日付けるのは金属バンドの自動巻の方。これって毎日つけなければ止まってしまうからね。仕事に持って行くのがそっちのことが多いのだ。
 まぁいいじゃない。仕事も分秒に追われる感覚を醸し出すデジタルよりも、ゼンマイのゆったり感のあるもので。腕時計くらい。実際そんなに狂うわけではないので、社会生活に支障はきたさないものだ。

 逆に休日はデジタル式で遊んでいる。ここからここまで何分かかったとかストップウォッチで計ってみたりして、そんな気分には休日だからこそなれるものだ。

 そんな思う返すと、金属バンドのオリエント社のキングマスターをそんなに長く使うつもりだったかというと決してそうではない。
 とりあえず安く買えたから、とりあえずという気持ち。それがはや10年以上の付き合いだ。

 結婚とかも、いつのまにか妻ともう何年も一緒に暮らしてきているという感覚になることがある。この時計のように。結婚ってそんな感じかもしれない。ながーく愛するって点で似ているかもなぁとか思わぬでもない。