今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

スローカーブをもう一球・・・モデルの投手の死を悼む

 若かりし頃、両親からは小遣いももらっていなかったので(唯一の収入はたまに祖父祖母がくれる小遣いだった)、なかなか本とかを自分では買えなかった。親は参考書や問題集は惜しみなく買ってくれたけれども。

 そんな中で、自分で買った文庫本で覚えているのが、山際 淳司さんの「スローカーブをもう一球」だ。なんか、とてもその題名に惹かれたからだ。

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  この文庫本、短編集なのだが、本の題名にもなっている短編「スローカーブをもう一球」はとても思い出深い話だった。

 群馬の名門高校である高崎高校が春の選抜甲子園高校野球に出たときの話。

 勉強はできても甲子園まで行くほど運動は・・・という高校が、スローカーブを武器に甲子園に出られた話で、あまた小説等を読んできた私も、読んだうちで結構忘れてしまっているものものあるが、これはよく覚えている。そのモデルとなった投手は、確かに、東京学芸大学に行って先生を目指したとその短編でも最後に書かれていたと思う。

 そのモデルの川端俊介さんがなくなったという報道があった。56歳だったそうだ。若い、若すぎる。病気と言うことで仕方なかったところと思うが、残念で仕方ない。

 私の大学でも高崎高校出身者もいたので、その時も、この「スローカーブをもう一球」を思い出したりしたところだから。

 川端俊介さんの死に心より哀悼の意を表します。