重松清さんの「小さき者へ」読了
いつもながら、人生の負け方を教えてくれる本だと思った。重松ものはいつもそうだ。主人公たちはいつも人生に負けてうちひしがれている。
僕が重松清さんの著作を友人に紹介されてから今までずーっと人生敗北感をかかえているからこそ、重松ものを読み続けている。
本作最後の短編で主人公が甲子園高校野球を見にいくところなんて、まるで僕そっくりだ。
僕も何か分からない報われない気持ちを抱え、暑い夏、暑い甲子園に行くという報われない行為に何かを求めて何年か行ったものだ。
重松ものは人生の負け方の類型を提示してくれる。だから読むのだ。それらが僕にとっての答えでないこともわかってはいるのだが。