若い多感な頃は何らかの刺激に容易に感動してワクワクできたものだ。
中年になり、いろいろ鈍くなってくると、そうでもなくなる。
昔は読書という手間にかかることをしてでも感動を得ようとしたし、今みたいに映像メディアも見やすい環境じゃなかったからね。
今じゃ、気軽に動画だテレビだ映画だと、何であれば満員の通勤列車内でも見られる時代になり、読書という面倒な作業までして感動を得ようとしなくなったよね。
その中で、久々に読書で打ち震えるような感動を得られた。
こちらの小説。これは以前読んだことがあった。でもまたなぜか興味を覚えて図書館で借りたのだ。
以前はNHKのドラマでこの短篇集の中の一つ、「夜警」を見たからだったと思う。俳優の安田顕氏が主人公で印象的だったから読んだんだと思うんだよね。
今回はなぜ興味を持ったのか忘れてしまったが読んだら、全部の短編がすごかった。
映像で気軽に刺激を得られる時代。その映像でさえ見るのが億劫になってしまいがちな中年にここまで心打ち震わせるとは、文章の力ってすごいんだなと実感した次第。