今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

グリーン車の宣伝に思う実質的平等の崩壊

 最近JR東日本の駅とかで、普通車グリーン席の宣伝がしきりになされている。

 まぁ、東海道線の朝のラッシュたるやものすごいものであり、それに比して、グリーン車がゆったりしているのを見たりすることもある。なんだかなぁと思う面もある。金を払った方がゆったりできるよ・・・そんな格差が如実に表れるから気持ちの良いものではない。

 また、グリーン車が連結されている普通列車に飛び乗った時、ぎりぎりでどうしても間に合わず、階段を下りたところのグリーン車に乗ってしまった時、車掌が待ちかまえていて、デッキにもいさせてもらえず、普通車の方に追い出されたことがある。門番のように人一人張り付けても、利益が出るからこそのグリーン車なのかもしれないが・・・。

 戦前の国鉄では一等車、二等車、三等車という区分が普通にあったと聞く。

 華族制度などがあったくらいで、公認された格差があったからこそ、そういう区分もあったと思う。

 戦後、日本国憲法ができ、法の下の平等の概念ができるとともに、一等、二等という区分は少なくとも国鉄ではなくなり、グリーン車っていうなんか差別感を薄めた呼称ができたし、高度経済成長時代は総中流社会とも言われる実質的平等も達成されたところで、グリーン車ってそこまでクローズアップされなかったと思う。確かに、東海道線のような長距離普通列車には連結されてはいたけれども、そこまで宣伝もなされなかったような感がある。

 しかし、今は、ヒルズ族とかITバブルとかを通して、セレブと庶民の格差が広がり実質的平等が崩れてきている中で、グリーン車というのが再度注目されているようだ。

 なんか・・・悲しいねって思ったんだよね。
 実質的平等がかろうじて保たれている頃に育ってきて今に至ったおじさんとしては・・・。

 お金払うんだからいいじゃないという意見もあろう。でもね、人生そんなもんじゃないと思うのも事実。札束で頬をはたいて面白かろうか。

 ともあれ、グリーン車クローズアップの現代、どんどん格差は広がっているんだなぁと実感した次第であるし、グリーン車は記憶にある限り・・・乗ったことがないんだよね。乗りたいとは思わぬでもないが。