今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

東京都台東区鳥越近辺

 最近は読書と言えば、資格の勉強本であったり、その基本書だったりするわけだが。法学とか経済学とかの文系実用書、また、電気関係の技術書であったり、情報処理関係のマニュアル本なり理系実用書なりであったりするわけで。で、それらが何を意味するかというと、「実用書」であるということ。
 社会人として生きていくというのは、自分の知識技能を実用として還元していくという過程であり、その還元分としてお給金をもらえるというシステムだったりするのだろう。
 だから、仕事をしているうちは、実用系の読書が増えてしまうのは致し方ないだろうか。

 しかし、色々乱読して教養をため込むのが学生の特権であったとて、社会人になったら実用一辺倒というのはどうにも味気ない。ということで、実用以外の本を読みたくなることもある。それはとても贅沢な時間と言えるわけだが・・・。だって、実用本以外を読んで、そっちが面白くて勉強がおろそかになり、資格試験に落ちたらそれはそれでくやしいわけで。そうなると、実用×実用みたいな感じで実用本一辺倒の時間が増えて行ってしまうのだが、あえての実用外しで本を読むとすると、そう、贅沢なのだ。

 ということで、最近はあまり実用本以外を読めていないが、実用本の対極にあるのが小説だろう。

 小説を本として読んでいた学生時代を振り返ると、かなり大好きな小説家として井上ひさしさんがいる。高校から大学にかけて井上ひさしさんの著作が私に非常に影響を与えたのも事実であるし、だからこそ東北の仙台に行ったということがある。井上ひさしさんは仙台にゆかりが深くそちらで高校時代とかを過ごしているのだ。

 その井上ひさしさんの著作に、「浅草鳥越あずま床」というのがある。
 17 『浅草鳥越あずま床』(新潮社、1975年) : 井上ひさしの世界 全著作レヴュー 参照
 東京の下町での人情ストーリーという感じですごく好きだったわけだが、関東在住なので、いつでも行けるところであったのだが、なかなか行けていなかったそのあたり。

 先日散策してきました。秋葉原で用事を済ませてから歩いて行ったわけですが。
 

 戦災を免れたようで、鳥越近辺は非常に古い街並で非常に興味深く妻と一緒に回ってた次第。
 その伝統ある街並から、垣間見えるスカイツリー
 超高層のこの鉄塔は、遠くからしか見ていませんでしたが、鳥越近辺からはかなり近く見えるわけで、井上ひさしさんが描いた時代の下町とはひとつ変わってきている部分もありつつ残っている部分もありつつというところでしょうか。
 東京の都会方面は混んでいていやだなぁと思っていた部分は多くあるのですが、鳥越近辺は、休日はきっちり休日でシャッターはがんがん閉まっているところが多かったですが、その分、人も少なくゆっくりできたので面白かった次第。