「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」というのは川端康成の小説「雪国」
の有名な書き出しである。
それは先日行った群馬県水上から新潟県湯沢に抜ける上越線の鉄道のトンネルを指しているのだ。
確かに、谷川岳で阻まれる群馬と新潟の間、新潟からの湿った風がその山岳を吹き上がる時に豪雪を降らし、水分を失った空っ風が群馬に吹き下ろす。
群馬では「かかあ天下と空っ風」という言葉がありますが、まぁ、そういうことですな。
新潟が豪雪地帯であることは有名であるが、新潟には何度も旅をしたことがあるが、長岡に行った時に印象深かったのが、道の真ん中に赤茶けたラインめいたものがあり、ところどころに穴が開いているという風景。
あぁ、雪を融かすために水を流しているんだなと思ったが、私も東北は仙台や、北海道など寒い地域には住んできたが、そういう設備はなかった(そこまで豪雪ではなかったのだと思う)ので、あぁ、雪国だなぁと思った次第。
こちらのサイトによると、その設備は消雪パイプというものらしく、今回調べて始めてその名を知ったのだが、長岡発祥のものらしい。
長岡を妻と旅した時に、この消雪パイプの赤茶けたセンターのラインを見て、あぁ雪国だなぁと思っていたのだ。赤いのは消雪パイプを通る地下水に鉄分が含まれていてそうなるらしいから、鉄分が含まれていなければ赤くはならないのかも知れない。
新潟県のホームページでも消雪パイプは長岡発祥のものと書かれていて、なるほど。
さて、今回、それこそトンネルを抜ければ雪国だったという文句のトンネルの始まりの水上を旅したわけだが、みなかみ町にも消雪パイプがあったのが印象的だった。
長岡のように赤茶けていないから、ここの地下水には鉄分は少ないのかも知れない。谷川岳の雪解け水という清らかな流れが伏流水でありそうだから、それも納得。
それにしても新潟の方のものというイメージがあったから、群馬県の水上に消雪パイプがあったのは印象深い。
谷川岳もまだ冠雪していたから、日本海側のみならず、抜けたすぐこっち側の群馬県の奥も豪雪なんだろうなぁと思いながら感慨にふけった次第。