今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

素敵なシルバーシート

 さて、仕事帰り、疲れて帰途についていた。

 電車でシルバーシートが空いたので、まぁ、座った。若者などは座るのをさすがに敬遠していたりして空いていることも多いので。

 私はシルバーシートは別に空いていれば座ることが多い。高齢者が来れば譲ればいいのではないかという思いで。また、最近はアラフィフ。あと10年もすれば私も譲られるのかなぁ・・・という甘えもなきにしもあらずだが。

 

 でね、座ってまもなく、どうみても高齢者の男性が目の前に立たれた。

 

 前述のように来たら譲れば良いではないかという思いで躊躇なくシルバーシートに座る主義だからして、気づくや、立ってどうぞと席を譲った。

 しかし、その高齢者の男性は非常ににこやかに固辞された。

 それこそ3回くらいどうぞと譲ったものの固辞されたので、では、すみません・・と。

 そうしたら、私の隣の私より少し年上の女性まですみませんと頭を下げたりしてしまったりしていた。

 

 すぐ降りるからかなと思っていたら、ずーっと乗っている。私が降りるところまで。

 

 うむ。正直、今日はブルーなイヤな月曜日を働き抜いて疲れマックスだったから非常にありがたかったのだけれども・・・それにしても。

 

 降り際にも、ありがとうございますという意で会釈をして降りたんですが・・・

 

 降りた後のホームでその高齢者が話しかけてきて、この方が言うには、今日が誕生日で娘が祝ってくれると言うことで出てきたんよと上機嫌で私に語った。御年80歳になったとのこと。

 

 そうか・・・80歳の方から見れば私は30歳も年下の若造だよな。

 でもその若造が参っているのを見てか、推測してか、いいよ座っていてと言ってくれたのかな。

 

 世知辛き世の中がこれからも続く中、自分の狭量さを思うにこんな素敵なシルバーになれるとは思えないが、目指すべきシルバーはこういう方なのかも知れぬと思った次第。