今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

張ってメシが食えるのならいくらでも張るけどさ


 最近、春口裕子さんの小説にはまっている。「イジ女(め)」という小説本のネーミングが座布団3枚ものだなぁと思いながら読んだらはまった次第。


 女性のイジメ、見栄張りなど女性的陰湿ダークサイドの悪質系ストーリーが満載で、この作者、もともとは損保会社で勤めていたようで、そのへんの陰湿話がかなりえぐく描かれていて非常にインプレッシブなストーリーになっているから、はまりこんでいる。


 その後、「女優」「ホームシックシアター」などのこの作者の小説本をはしごしていっているのだが、その中でも「女優」はなかなかにすごくインプレッシブである。なんというか、女性はこんなにも見栄っ張りなのかと思わされる部分が特にえぐい。いや、普通のOLなんだけど、これでもかっていうほど見栄を張っている描写が出てきて、だからこそ、タイトルが「女優」なのだろうけど、すごい描写なのだ。


 私自身は見栄なんて張って得するものでもなければ、メシが食べられるものでもないから、あまり重視していない分野なわけだ。だからこそ、おしゃれとかかっこつけとか・・興味があまりないわけで。


 でも、そういえば、ゴミ捨ては私の仕事になっている。というのも妻がちょっとそこまでという時も、やはり、すっぴんでは出にくいからだそうだ。そう、女性は化粧なしで外に出るのはタブーなわけなんだろう。まぎれもなくそれは見栄だろう。


 もちろん、妻は化粧にお金をたくさんついやすでもなく、そのへんでは最低限の見栄張りであり、そういう質素なところが私の価値観にも合うのだが、それでも、見栄はある。


 見栄を張ってメシが食えるのならばいくらでも張るのだが、あまり、見栄に価値を置きたくない私にとって、この「女優」という小説本では見栄のむなしさを訴えているストーリーであり、非常に私の価値観に合致する。


 見栄って、ほどほどでいいと思うんだよなぁ。