今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

入試投稿の疑いに思う〜痛いほど共感できるが自分に悔いを残してなんとする〜

 京都大学を初めとする入試投稿の疑いの予備校生が逮捕されたことが、今日、寒いひな祭りの日のトップニュースだろう。

 非常に興味が尽きない話題であったし、ずーっと注目し続けてきた話題であったが、あえてここでは言及を避けてきた。

 それほど自我関与できる話題は下手に言及すると、感情の方が先に立ってしまうと思ったからだが、そろそろ言及しよう。

 というのも、件の予備校生が、山形県出身で宮城県は仙台で予備校生活を送っていたということがあったから。仙台は私にとっては青春の地であり、学びを得た地。今の私にいろいろなものをくれた地であったからゆえ、入試投稿という背信的行為をした者がそこにいたとなると、とても悲しかったからというのがひとつの理由だ。東北の地にはいい思い出がたくさんだっただけに・・・ちょっと。

 私は、どうしてもこの時期、受験生たちを応援したくなる。

 今年のセンター試験の日も、かような語りを語っている。

雪の受験生へ - 今日の一語り(はてな Ver.)

 受験の日に雪というのもつらかろうが、人生それ以上に運の悪いことはたくさんある、がんばれと全国の受験生に向けてエールを贈ったつもりだ。
 でも、こんな行為が起きているとは・・・どうにもせつない。

また、過去にはこんな語りも語っている。

雪と受験と - 今日の一語り(はてな Ver.)

 まぁ、やはり雪がセンター試験を直撃するというニュースを受けてがんばれと語っているのだが、それ以上に語りたかったのは・・・次のように語っている。

ちなみに・・・私は、センター試験ではからきしだったが、二次試験で挽回してなんとか大学には入れた。

 明日のセンター試験を受ける諸氏・・もしこの一語りを見ているならば・・・というか、今のこの時間に見ていてはいけないような気もするが(^-^)・・・がんばってほしい。そして、センター試験がだめでも・・まぁ私のように挽回もきくよと気を強く持ってほしい。


 そう、国公立大学の一次試験たるセンター試験でうまくいかなくても、がんばれば何とかなることもあるよと語りたかったのだ。
 ここでは、受験生時代から遠く離れて思い出話として語れているから冷静な語り口にもなっているが、当時は全然冷静でなんかなかった。
 現役時代、あ、こりゃだめだなぁという思いで受けたセンター試験の点数よりも、必死でがんばった浪人時代の点数の方が数十点も低かったのだから、とてもとても第一志望の大学なんか受けれるのだろうかくらいの点数だったのだから。

 離れた地方の大学に行ったわけだから、泊まりがけの受験になるから、現役の時は旅行代を出してもらってしまったようで申し訳ないという思いもあったし、現役時代以上に浪人した時はもっと悪い一次試験の成績をひっさげていくのだから、なんの顔して受ければいいのかわからない、また、ただの旅行になってしまっては申し訳がないという思いがありながらも、初志貫徹で学部は変えたけれども同じ大学を受けに行ったという苦渋の思い出がある。

 ということをなぜ語るか・・・それは・・・

asahi.com(朝日新聞社):入試投稿の疑い、予備校生逮捕「携帯使い一人でやった」 - 入試ネット投稿5

 の記事を読んだから。その中から引用したい部分がある。

 在籍していた大手予備校仙台校は3日、予備校生の逮捕を受けて会見。同校によると、予備校生は担当講師に対し、大学入試センター試験で想定した点数が取れなかったことを明かして「どうしよう」「2次試験でがんばらないと」などと不安を漏らしていたという。


 そう、この予備校生の気持ちが本当によく分かるからだ。
 私の浪人時のセンター試験の点数は本当に悪く、この予備校生は事件後も後期試験の勉強を予備校でしていたということだが、私などは後期試験を受けさせてもらえなかったのだから。そう、俗に言う足切りというもので、一次試験たるセンター試験の点数があまりにも悪かったため、一定倍率の中には入れなかったため、二次試験は受けないでくださいということになってしまったくらいだから。
 そんな中、センター試験で思うような点数が取れなかった中、遠くの大学に受験しに行く不安は共感してあまりあるところだったから。

 そう、その共感こそが、ここでこの事件に関して重かった口を開こうと思ったもうひとつのきっかけだったりするのだ。

 報道によると、件の予備校生は、高3の時に父と死別していて、これ以上の金銭的負担をかけられないという重圧を背負っていたという。それはとても痛ましいことだとも思う。

 ただ、私も重圧という点では、違った観点からであっても劣らぬ重圧を負っていたと思うし、どの受験生もそうと思うのだ。それくらい、日本の受験生たちは厳しきものを背負っている。

 その予備校生の負っていた重圧に共感できるところは多くあれど、だからこそ、入試投稿という不正には大いなる失望感を禁じ得ないのだ。

 どうしてそんなことをしてしまったのか・・・と。

 私は、二次試験でなんとか挽回したらしく、合格できたが・・・件の予備校生だって、普通に受けたらどうだったのかと。

 私の二次試験もすごくうまくいったかというと、そうでないところもあった。英作文では、「粉」という単語が出てこなかったんだよね。別に難しい事じゃない・・日本語にだって出てくるpowder(バウダー)って出てくりゃいいのに、緊張して出てこなかったから、切羽詰まって使ったのがflourだったんだよね。フラワー小麦粉なんて商品名もあったと思うが、小麦粉ってね。小麦粉のような〜という感じで文章をつないだ思い出がある。数学だって、4問中の1問は完全に白紙で出したりしたから、決して自信満々であったはずもない。
 でも、これでどっちに出ても後悔はしなかったと思う。たまたま受かっていたが・・・。

 件の受験生の重圧は他人事ではなく共感できる。さりながら、入試投稿の上合格点が取れても、いつまでたっても、自分に後悔はのこらないだろうか?それが仮にばれなかったとしても。

 大きな人生の観点から大学に入る入らないはそこまで大きな問題じゃない。たまたま合格した私も今はいい人生を送れているかというと決してそんなことはない。ここの語りだって愚痴が多い。

 だからこそ、自分に後悔が・・・致命的な後悔が残るような今回のようなことはしてほしくなかった。切にそう思った。