今の若い人は塩が専売だったということは知らないのだろうな。
ただ、1972年生まれの私にとって、塩と言えば食塩・・専売公社の塩しかなかった時代で育ったので、そういうのが懐かしい部分がある。今は塩は自由化されて、別に専売公社系の塩ばかりではなく、色々な塩が売り出されている。
もちろん、ブランド系の塩を否定するわけではない。以前新潟の笹川流れに行った時に買ったそこの製塩所で作られた藻塩は大事に使っていたりする。
最近、釣りをしているので、魚を調理することが多い。魚の臭み抜きに結構大量に塩を使う。これは別にブランド系の塩ではなくてよく、普通の精製塩でいいのだが、となると専売公社系の塩が欲しくなってきた。懐かしいからね。
ただ、なかなかない。スーパーにでも行けばあるんじゃないかと思いきや、ない。スーパーの普通の精製塩はオリジナルブランドの塩が並んでいた。
そうか、塩も自由化されると、専売公社系の塩ではなくもっと安く作る業者の塩をオリジナルブランドにすればいい。そうすれば安く売れるわけだから。
こうなると意地になって、探してしまったよ、数日にわたって、専売公社系の塩を。
妻が、そうなるとドラッグストアとかの方が逆にあるかもよというヒントをくれて、夫婦二人で考えてってことになるのか、その案が大当たりで、ドラッグストアで購入できました。専売公社系の塩。
昔はこれが普通だったのよ。ほら、食卓塩とかって見たことがあるでしょ。塩って行ったらこれしかなかったんだから。ま、今の若者からは昔話をするおじさんにしか映らんだろうけど。
専売公社の塩の経緯は、専売公社が今や塩事業センターに変わっているのだが・・・そのサイトに詳しい。
塩の制度の歴史 | 塩あれこれ | 塩百科 | 公益財団法人塩事業センター
私はね、塩ってのは生活に欠くべからざるものだから、専売だったんだと思ったんだよね。ほら、甲斐の武田氏に越後の上杉氏が塩を送ったということから「敵に塩をおくる」という子土場さえあるくらいだから。まぁ、そういう意味も大きいらしいが、そもそも塩が専売にうってつけの性質ものであったということ、そして、それで政府の財政的に余裕が出ることから、専売になったというもう一つの意味があったことが分かった。
具体的には日露戦争のための戦費のためもあって、明治政府が始めたことだったらしい。収益主義の側面が強かったようだ。そうか、そうだったのかとか思いつつ・・・。
その後は、やはり生活必需品の塩を低廉価格で供給するためという公益主義に移行し、1997年まで専売制が続いたから、そこになると私が思い描いていたものと近い。
とまれ、専売公社系の塩を求めてうろうろしてしまったけど、無事に手に入れられて良かった。やっぱり塩ってこれがいいとかほっとする昭和世代な次第。