今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

奇跡のイワシと釣り人の粋

 釣れた。

 大して釣れもしないのに、えらく混んでいて不快な思いをしそうな海釣り場に嫌気がさして出かけていなかった。

 しかして、夕方の一瞬にゲリラ的に突撃してみた。いい加減にわか釣り人達が帰りそうな時間帯の短時間。寒い時期の今、魚の活性の低いであろう水温の低い時期は狙いすまして行くほかないだろう。しかも人がいなさそうな時。

 行ったら行ったでこの時期にしては例年になくえらく混んでいたのだがそれでも竿を出せるスペースがあった。

 そして、仕掛けを入れたとたんに釣れ始めた。

 そうなると狩りモードである。無言で妻は海水を汲んでくれるし、私はどんどん釣っ て、針外しは妻も手伝ってくれた。

 釣れたのはシコイワシ。サビキでよく釣れる魚で珍しくはないかもしれないが、その釣れる時間、時合はごく短いことが多い。手返しよく、どんどん釣るに限る。

 妻もその調子が分かっているので、黙々と手伝ってくれるものだ。

 ものの30分くらいしか釣れなかったような気がするが・・・

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 30匹ほど釣れた。多分、その場にいた人々の中では、最も最後に来て、最も早く帰って、最もたくさん釣ったであろう。これには、夫婦の以心伝心のシコイワシ釣りの極意がある。釣れる時間にさっさと釣る。

 それこそ1時間もいないで釣り場を去る。これが、釣り人の粋ってものよ。

こんな粋なことは滅多になく、全然釣れないからくやしくて何時間もいて、なお釣れない・・・そんなことが多いものだから、釣れる時には大いに釣るし、粋がるってことかなぁ。

 

 周りは、長時間いる人が多かろうと思われた。だって、テントとか張っているんだもの。そういう方々は大体にわか釣り人だろう。キャンプの延長と思っているかも知れない。

 釣りってそうじゃないと思うよ。ギャンブルだから。長時間いたからって釣れるとは限らないので。釣れたらさっと勝ち逃げする。くやしくならない秘訣。テントなんて張っていたら、片付けに時間がかかってしまうじゃないか。だから、私たち夫婦の方が先に帰れてしまう。

 

 奇跡のイワシ30匹。釣れてくれてありがとう。