結婚のプロポーズ文句として常套句なのが、「あなたを幸せにします」だろうか。
私はこの文句が嫌いで、そもそもできないこと、いや、できるかどうかわからないことを言い放つなんてなんて無責任なんだと思っていたし、今も思っているから。
ついでに言えば、結婚というのは当人同士の合意によって決めるものだから、相手の親に「娘さんをください」のくだりは無用だと思って、言わなかった。どうやら義父はそこは不満だったようだが☺️
ということで、妻に幸せにしますとかは言わないで今に至る。
ゆえあって、その後、人前結婚式を挙げることになるのだが、そこの公衆の面前での誓いの言葉も、共に生きていくことを誓った次第。決して幸せになりますとか言わなかった。
その時の様子は次のサイトを参照されたい。
まぁそんなことを息巻いて言っていると当の妻は、「言わなかったもんね、ふんっ」って感じねと半分あきれ顔で生暖かく見てくれているのだが、なんだか、こう老いてくるとあまり大風呂敷を広げなくてよかったとも思う。
最近は若い頃は忘れなかったのに、あれとかそれとか言っちゃって言葉が出てこないことがあり、大丈夫かな?とか言っていると、妻は威勢よく大丈夫っ!とか言う。
その妻も、髪の分け目が薄くなってきたのを見せて、ヤバくない?とか聞いてくるので私は威勢よく、大丈夫っ!とか喝破している。
互いの傷を舐め合うというのか、せめても、まだ行けると励ましあうというのか。老境の中年夫婦のリアル。
こうなるともう、共に生きていくなんて文句さえ生優しくて、共に老いましょうという文句の方が似つかわしくさえ思う次第で。
だが加えて思うに、正直たらんとしてかようにこだわってきたが、別に減るもんじゃないし、取り立てを食うわけでもなければ、リップサービスとして、幸せにしますとか言っちゃったり、娘さんをください的なことを言ってもよかったのか。老境を迎えるにあたり、少しく思わぬでもない。