今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

初めて買った本を読み直す

 定期的な小遣いがなかった未成年の時、本を買うってことはなかった。家の蔵書を読むか、図書館に行くか。マンガを買うなんてとんでもなかった。

 それは今も続いていて、図書館で読める本は図書館でと思ってしまったりする。まぁ物価高の今、いい習慣かも知れぬ。

 そんな中、記憶にある限り最初に自分で買ったのが「スローカーブをもう一球」山際淳司、の文庫本だった。中学生か高校生の頃か。

 タイトルが気になったからというのと、その中の、江夏に21球について読みたかったから。

私が買ったものの装丁はこちらのもの。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404154002X/warawaracocol-22

今は絶版みたいだね。

 この文庫は実家においてきてしまったので、図書館で借りてきて読んでいる。

今の装丁はこちら。

何編か小編が入った文庫なんだがどれも面白いし、江夏の21球の話もとても良かったんだが、表題作の、「スローカーブを、もう一球」の話がすごく記憶に残っている。今読み直しても、あぁこれだったよなぁと思い出せる。何度も読んだ話

 

勉強のできる地方名門校が春の選抜甲子園に出たという話。とても甲子園に出られそうにないお勉強のできる高校の投手が、気の抜けたようなスローカーブで勝ち上がり、甲子園に出た話でとても共鳴できたし、とても読みやすかった。

そしてこの本を読んだ後に、大学に入り、高崎高校出身者と話したりしたこともあったので、そう言えば高崎高校は甲子園出たんだよねとか話した思い出があるくらい気に入った話だった。

 

時は流れ、作者の山際淳司さんが40代半ばで急逝したのは1995年。ショックだった。

そして、この、スローカーブをもう一球の主人公たる川端俊介さんもすでに亡くなっていた。

ja.m.wikipedia.org

 これはニュースで見てショックを受けた気もするが、Wikipediaで再度見るとやはりショックだ。

甲子園の後、やはり名門校らしく早稲田大学に進み、教員免許を取って小学校の先生をしていたらしい。56歳で病気で亡くなられているが、とても惜しくてならない。

きっと生き生きと児童に野球を教えていたんだろうと目に浮かぶようだから。

 

僕は山際淳司さんの歳を超えて、川端さんの歳に近くなっている。どう生きてこられたろうか。

 

この本を今日読み直して改めて思った。

 

今週のお題「最近読んでるもの」