今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

禁酒法時代に医薬品として売られたことのあるお酒

 イギリスはスコットランドアイルランドアイラ島にある蒸留所。いわゆるアイラモルトを作る代表格の蒸留所にラフロイグがある。

 

 アイラモルトはピート香と言われる香りが強い場合が多い。それが好きだという人は多くはないだろう。でも、ハマればハマる、これがわかってこそウイスキー通だと思っている方も多いだろう。それだけ独特の風味である。

 

 ヨード分が多い泥炭(ピート)で原料の大麦を乾かすからその香りが移るのだが、ヨードって、私くらいの50代の中年なら幼児期に必ず使ったことがあろうヨードチンキという薬品を思い起こすと良い。擦り傷でも作るとヨードチンキを塗ってもらった記憶がある。あの独特な香りだ。

 

 より分かりやすく言えば、正露丸のにおいと言えば想起しやすかろうか。

 

 さて、要するにアイラモルトの多くは、ピート香、すなわちヨード香。すなわち病院の「におい」がする蒸留酒なわけで、好きな人は多くはなかろうと私が語った所以だが、ハマる人はハマるわけだ。ちなみに私の妻はピート香がするとまったく呑めない。

 

 さて、アイラ島ラフロイグ蒸留所で作られたウイスキーであるラフロイグも、非常にビート香がするお酒だ。要するに、ヨードのにおいが強く、アイラモルトの特徴がすごく出ているんだが、これが、私ら日本人には正露丸のにおいとか病院のにおいだと思ってしまうのだが、それは西洋でも同じだったという話を語りたい。

 

 アメリカでは禁酒法があった時代があるのだが、このラフロイグはその強烈なピート香、つまり病院のにおい、強烈な正露丸のにおいと言って良いんだが、それゆえ、酒ではなく医薬品だと主張して、禁酒法時代に販売の許可が出たという逸話があるくらいだ。

 

www.bar-kottechan.work

 

precious.jp

 これらのサイトでその逸話が分かると思う。

 まぁ、確かにここまでのヨード香がするとなれば、その薬効もあるのではないかと実は思っていて、より消毒力があるんじゃないかとか思っていたりする。

 

 それにしても減ってきたね。700mlあったこの瓶も残りわずか。開栓当初は噎せ返るようなピート香でさすがに私もどん引きしたものだが、それでも飲んでいくうちにピート香にもハマり、そうして開栓後年数が経ったら、なんかピート香が薄れてきた。甘みさえ感じるようになった不思議。もちろんピート香は残存しているからラフロイグラフロイグだけどね。

 

 私が数年前に買った頃は、並行輸入物で4000円台で買えたと思うが、円安の影響か最近はえらく高い。

 日本の株価がバブル期のように高くなっている最近だけど、円はそこまで高くなっていないかな。まだまだ安くはなっていない。

 

 ジャパニーズウイスキーの雄、ニッカ、サントリーが原酒不足でどんどん価格高騰し、それだけではなく、品薄で手に入らなくなったので、スコッチでもとアイラモルトに手を出したんだが、円安で厳しい。

 

 為替相場まで気にせざるを得ないわけかぁ、ウイスキー飲みには受難の時代だね。