今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

『「東大に入る」ということ「東大を出る」ということ』を読む

『「東大に入る」ということ「東大を出る」ということ』(中島 敏, 平林 慶史 , 出雲 充 (著)、プレジデント社)を読んでいる。今日から読み始めた本だが一気に読めている。それだけ面白いということ。

 東大と聞いて、みなさんはどう思うだろうか。まぁ、いろいろだろうね。ひがみもあれば、敬意もあれば・・・そう、いろいろ。

 第二部の 「いい子」であり続けることの「意味」 にて、平林慶史氏が書いていることに非常に共感を覚えた。親の期待に応え続ける子どもを「いい子」として語っている。東大生は概して「いい子」なのだと。そして、期待に応えるというしがらみ・呪縛から逃れられずにその道を進んでいるが、それはそれで勝っても勝った気がしないということで苦しいものなのだとの論旨に受け取れた。ざっと読んだだけだから多少の誤解はご容赦願いたい。

 その気持ちはよく分かる。僕もそんな呪縛に縛られて来たから。ただ、そこからドロップアウトした点ではこの筆者達と同じようなものだ。ただ、それがよかったのかどうか・・・今でも迷いがある。

 私は もてない男語り部である(HP「もてない男のその後の語り」)。なぜ・・・もてないという自分にとってのマイナスイメージを前面に押し出して、一個人、大津和行として語り始めたか・・・そこには「いい子」脱出へのレジスタンスが含まれていたから・・・
 「いい子」であり続けるために捨てたもの、それは、恋愛だったり友達つきあいだったりしたから。
 だから、「いい子」脱却には、この筆者達とはある種違った道ではあるが、がんばっているから(でも、まだ脱却し切れていない・・・なぁ・・)、だから、この本は私にとってすごくピントが合っていた。

 第3部では「有名進学校→東大→東京三菱銀行」のレールを降りたという出雲充氏の論が語られる。これも非常に共感ができた。氏のブログも見つけた・・・イズモノブログ

 これからどうやって生きていけばいいのか・・・悩みがつきないのだが・・・いや、あっけらかんとやっていけばいいじゃないかと思わされる本である。私にとってはすごくいい感じの本である。