海外の作家で誰が好きかと問われればO. Henry(オー・ヘンリー)だと迷わず答えるだろう。
庶民視点に立ち、貧乏と真っ正面から向き合いながらもユーモアを忘れないというそのストーリーに私は特に惹かれるし、実際、がんばって勉強して大人になってみても裕福とは言えない庶民にしかなり得ていない自分へのエールとしても彼のストーリーは未だ私の中でベストストーリーのひとつであり続けている。
さて、そんな彼のストーリーの中で忘れ得ぬもののひとつに「桃源郷の短期滞在客」というストーリーがある。あらすじは次のサイトの記事を参照されたい。
夏休みは都会のホテルで過ごす 「桃源郷の短期滞在客」 O・ヘンリ | 日々の書付
要はニューヨークの都会のホテルでバカンスを楽しむ女性のひとりに、立ち居振る舞いが高貴でどこぞの貴婦人だろうと噂される人がいたが、実は、普通の庶民的な働く女性で一年間お金を貯めてそのひとときのバカンスを送っているというO. Henry的ウィットと貧乏との向き合いに通じるストーリーである。
そう、私のような庶民はリゾートホテル等の高級ホテルに泊まることなど夢なのである。
しかして、かように語ってきたのは、実は分不相応にリゾートホテルなどに泊まる機会を得たからである。
東急ハーベストクラブ勝浦というところ。私たち夫婦の大好きな房総のリゾートホテルに泊まるという夢のような体験をできたわけで。まさに、先のストーリーの桃源郷の客の気分であった。
通常はあまり高くないホテルに泊まる。安くて割に設備がよくというコストパフォーマンス重視になりがちだ。となると、部屋は必要十分の最低限の広さになることが多いわけだが。ここのようなリゾートホテルであると、」そんへんが贅沢に取られていて、スペースは広いし、大浴場も広い。アメニティ系統も充実ということで、なんか夢のような感じであった。
先のストーリーではないが、やはり同宿者の方々がお金持ちそうなのがなんか気後れしてしまったのは妻も私も同じだったらしい。浴場で漏れ聞こえる話や、なんか立ち居振る舞いなどがどうも・・・。また、すごい高級外車をびしっと乗り付けていたりとか。
あと、高級リゾートであると、なんというかいろいろお金でサービスを受けるのだなとか思ってみたりした。先日泊まったリーズナブルなコンドミニアムではDVDプレイヤーが無料で借りられたりしたが、ここは有料なのだなとか。まぁ、そのへんの感覚が庶民なんだろう。富裕層はそのへんはけちけち言わないのだろう。
高台に立つこのホテルは、各種サービスも完璧ですばらしいものだった。