映画「真実の行方」(- goo 映画)を見た
いや、久々に身震いするようなすばらしい法廷劇を見たという感覚だ。
(以下ネタばれあり)
途中までは、言ってみればだらだらした展開である。
そもそも主役のリチャード・ギアっていう甘いマスクがいけない。とうてい弁護士という感じには見えないし、対する検事役にもローラ・リニーという金髪の女優を使って、そこに元恋仲みたいな関係も絡めてしまっているわけで、こりゃリチャード・ギアという甘いマスクの魅力で押す映画かなって思ってしまうのも無理はない。
法廷劇は陪審制を取るアメリカならではのアメリカ映画のお家芸みたいなもので、それだけ数も多く作られているから見る側も慣れてしまっているから、それなりに迫力のある展開であっても中途半端では大して面白くも感じないわけで、この映画も途中まではそんな感じ。
でも、リチャード・ギアも野心家の嫌みな弁護士役はそれなりにこなしていたが、それなりってわけで・・・それなりだったら大して感動しないって感じで半分以上が過ぎてしまう。それでもさほどだれずに見られるのはそこまでつまらなくもないのだが。
だんだん面白くなってくるのが中段以降。中段からは目が離せない・・・。さて、判決は・・・。
うん・・・判決というか裁判の終わり方はよく分かる。普通はそこで終わりだ。
でも、その先があるのがこの映画のすごいところだ。そのラストで一気にこの映画が私の中ですばらしい法廷劇へと昇華したのだ。
すごいよね。どんでん返しという言葉がありきたりに聞こえてしまうほどのひっくり返し方である。
そして、そう、容疑者役のエドワード・ノートン・・・この人はちょっと変な特徴ある役回りばかりのような気がするが、ほんと、ここでもその演技がラストでスパークというところか。
うん、そうだね・・・アメリカ法廷劇では、「十二人の怒れる男」を大学時代に見ていたく感動したものだが、その後、「ア・フュー・グッドメン」なんかもよかったよね、これも新たな視点。「エリン・ブロコビッチ」なんかも一風変わってこれも新境地かな。あとは・・・まぁ、数々法廷劇は見てきたが、それなりにジャンル化されるかなという感じだったが・・・この映画はそういう数ある法廷劇の中でも、うん、かなりの身震いが来たんだよね。
なんだろう、こうやって文章にして語っていては語り尽くせないというか、言葉で語れない迫力と言おうか、エドワード・ノートンの怪演にしろ、リチャード・ギアの演技っぷりのコラボが生み出す雰囲気というか、ストーリーの巧みさというか、ラストにして飲み込まれてしまった感はなかなか言い尽くせないわけだが、これはひさびさに身震いした法廷劇だ。