今日の一語り

しがない勤め人、大津 和行(かず)、のキーボードから紡ぎ出される日々語り

燃料用アルコール徒然

 さて、コロナ禍が本格的になると、コロナウイルスにアルコールが効くということで消毒用アルコール製品が軒並み姿を消した。最近は少し復活してきているようだが。

  

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  以前、こちらの語りでも語ったが、消毒用アルコールのみならず燃料用アルコールも店頭から消えていて困った思い出がある。最近はまっているサイフォン式コーヒーを作るために必要なのだ。
 最近は、消毒用アルコールの復活に歩調を合わせるがごとく燃料用アルコールも入手できるようになってきているので助かっているが。

 さて、燃料用アルコールは消毒用アルコールとは、アルコールとは言え、まったく成分が違うのだ。
 燃料用アルコールの主成分はメチルアルコールメタノール)の割合がかなり多い。対して消毒用アルコールはエチルアルコールエタノール)が主成分である。
 エチルアルコールは飲酒するお酒もエチルアルコールが主成分になっているが、メチルアルコールは毒性が強く決して飲用してはいけないものだ。
 メチルアルコールメタノール)の毒性については労働衛生上の情報として次のように厚生労働省は表明している。

anzeninfo.mhlw.go.jp コロナ禍で消毒用アルコールが店頭からなくなった際に、燃料用アルコールも店頭から消えたが、誤解して買って行っている人もいたのではなかろうかと心配になる。

 戦後、お酒・・・すなわちエチルアルコールが少なくなったときに、エチルアルコールより安価なメチルアルコールを飲用する人が増えて、失明する人が増えたという話を聞く。 メチルだから「目が散る」と表現されていたらしい。それは私は父親からも聞いた。

 高校化学あたりで、メチルアルコールエチルアルコールも基本中の基本として真っ先に習うところであるが、ちょっとした化学式の違いで大いに違うものだなぁと思ったりしている。
 「目が散る」という毒性への意識から、メチルアルコールは怖いものだなぁと思っているからして、吸入したり、経皮での毒性吸入もあるようだから、こわいなぁという意識が強い。

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 私が買っているのは、ケンエーの燃料用アルコールであるが、これは比較的高価だ。探すともっと安い燃料用アルコールがある。
 違いを調べてみると・・・
 比較的高価なものは、成分を見ると、おおむね、メチルアルコール7割、エチルアルコール3割といったところ。
 それらより安いものは、メチルアルコール95%、エチルアルコール5%といったところ。
次の動画などでは、燃焼効率の比較をしていて興味深いが・・・


「アルコール燃料ガチンコ勝負!!」ドラッグストアで手に入るアルコール燃料は各メーカでどれぐらい違いがあるのか


高いものも安いものもさほど燃焼効率は変わりがないようだ。

どうして、燃料用アルコールはメチルアルコールなのだろう?と疑問に感じたところで、きっと、そちらの方が安く作れるからだろう。だからこそ、戦後まもなくものがなかった時代に同じアルコールだからと飲んでしまって失明する人が増えたという話になるんだろうと推測していたが・・・
 次の論文を読んで得心がいった。

新エネルギーの展望 | 刊行物 | (一財)エネルギー総合工学研究所
燃料用メタノール(改訂版)(9.99MB)


 メチルアルコールは石油等の化石燃料を原料に化学反応で大量生産できるものの、エチルアルコールは、サトウキビとかトウモロコシの発酵により作るらしい。要するに物理化学的反応で大量生産できるのがメチル。生物学的反応により手間がかかるのがエチルということになろう。こうなると、エチルアルコールが高いのは分かる。
 この論文を読むに、エチルアルコールの方が燃焼効率もよいらしく、安価に大量生産さえできればエチルアルコールの方が燃料用にもいいらしいのだが・・・。

 まぁ、サイフォンなどの燃料用アルコールには、現状、メチルアルコール主成分のものを使わざるを得なさそうだ。
 ただ、少々高くても、エチルアルコール3割、メチルアルコー7割のものを使っていこう。
 そして、なるべく注意して扱うことにしようと思っている。飲むのはもってのほかで、経皮でも吸っても毒性は影響を受けるようだから。