さて、週一回の飲酒日である昨日の土曜日、自分で作った丸氷をグラスに入れて、シングルモルトをたしなんだ。
さて、今回語りたいのはこのシングルモルトがスコットランドの蒸留所のグレンリベットが密造酒時代の製法を踏襲しているとかいうことではない。
密造酒時代の製法を踏襲している
買えなかったウイスキーが買えた奇跡 - 今日の一語り
今回語りたいのは、丸氷についてである。
丸氷、知っているであろうか?私がこの丸氷に初めて出会ったのは20数年前になろうか、高級なバーに行って出てきたのが最初であった。そして、そんな高級なバーに入ったのはそれが最初で今に至るまでとんとない。独身時代でお金に余裕があったとも言えようか。ウイスキーのロックを頼んで、丸氷で出てきたことは鮮明に覚えている。
以来、単純に丸氷に憧憬を抱き続けて、丸氷を買ったり、丸氷の型枠を使って作ってみたりしていた。
買った丸氷である。
結構価格が高めであるが、これらを使ってウイスキーのロックとかを飲んでいたんだが・・・
そう言えば、氷屋さんお純氷の角氷とか、スーパーとかコンビニでも買える板氷をとかをアイスピックで砕いたり整形したら丸氷はできるであろう。
ということで、先頃アイスピックを買って、それこそ50歳超えての手習いで、生まれて初めてアイスピックを使ってみたのだが。まぁ、割れた。
また、割っていく過程で、あぁ、こうやって角を落としていくと丸くなるなぁとか手習いしつつ、冒頭の写真画像のような丸氷ウイスキーロックに至ったわけだ。
角氷なり板氷から加工した方が格安で済むので、この物価高では中高年だからとてアイスピックを使う手習いは有用であろうか。
さて、ここまでやってみてなんで丸氷がいいの?という根源的な問いに至る諸氏も多かろう。
そう、どうして?
チコちゃんにそう尋ねられて的確に答えられる方は底まで多くはないのかもしれぬ。
格好いいからとか答えて、ぼーっと生きているんじゃねーよって言われてしまうかもしれない。
その理由は一言で言えば、溶けにくいからである。ウイスキーのロックなどはちびちびと長い時間をかけて楽しみたいものであるからして、氷の溶けが良いとすぐに薄まってしまってロックのはずが水割り様になってしまって興が削がれてしまうといけない。
チコちゃんならもう一つさらなる問いかけをするかも知れぬ。
どうして氷を丸くすると溶けにくいの?と。
これに的確に答えるには多少の数学を使うとよい。
私が計算したものであるが、立方体の氷と、同じ長さの球体の氷で、表面積を計算したものである。どちらも同じグラスに入ると仮定すると、表面積の比較だと立方体より球体の方が半分くらいになる。となると、表面積が小さい方が溶けにくいのは明らかであるから(触れている面から熱を奪われて氷という固体が液体に変化していくことは直感的に自明であろう)、丸氷の方がいいということになる。
公式等の参考サイトはこちら
球の体積と表面積の公式の覚え方・積分での求め方 | 高校数学の美しい物語
となると、溶けて欲しい時はわざわざ丸氷にする必要はなく角氷でいいわけで・・・
濃い珈琲を氷で急冷してアイスコーヒーにする時などは立方体なり直方体なりの表面積が大きい氷の方が好ましいわけだ。
以前、神奈川県は清川村の宮ヶ瀬湖畔のカフェ オギッソに行った時に、ビーカーに入っているのは濃い熱い珈琲なのだが、それをグラスの直方体の氷にそそいで飲むアイスコーヒーを頂いたが、なるほどこれは非常に理にかなっている。この場合は氷はある程度溶けてくれた方が良いので、手間をかけてまで丸氷にする必要はなく四角くて良いわけだ。
ということで、丸氷はゆっくり溶けて欲しい時に使われるという次第で。